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ロウソクの科学を追試しよう

  • ロウソクの科学を追試しよう

材料

ロウソク コの字型ガラス管 保持具 ガラス容器 コップ(位置調整) ユーティリティーライター(チャッカマンなど)

内容

・霧状のロウをガラス容器に集める
・コの字型ガラス管の一方の口をロウソクの炎の炎心にセットする。
・ガラス管の開口部で霧状のロウを受けて着火すると燃える。

詳細

 イギリスの科学者マイケル・ファラデーが,クリスマス・レクチャーとして講演した内容をまとめた「ロウソクの科学」という書物があります。ロウソクを題材として燃焼時の様々な現象を実験を通して解説していきます。数々の実験の中で,個人的に感銘を受けた実験を再現してみました。それは,ロウソクの炎心から,ガラス管を通して取り出した霧状のロウ(白い煙=気化したパラフィンがすぐに凝固して小さな固体粒子になったもの)に着火するという実験です。

 1つ目のポイントは,長いコの字型のガラス管で,霧状のロウが取り出せることです。ずいぶん前の6年生の理科で,ロウソクが燃えるのは,熱で固体のロウが液体から気体へ変化すること。その気体状態になって初めて燃えるということを確かめる実験がありました。その際使ったガラス管は,針金で保持した5㎝ほどの短いものでした。長いと途中で冷えて固体に戻るので,開口部で着火しないとされていたからです。しかし,ファラデーは,コの字型に曲げた30㎝以上の長いガラス管で,大量の霧状のロウを取り出していたのです。これは,前述の実験の経験者にとっては衝撃的なシーンです。

 2つ目は,開口部から出てくる霧状のロウを,ガラス容器に溜めていくシーンです。温度が下がってすぐに固体のロウになり,ガラス管や容器の内面にへばりつくかと思いきや,容器の中で濃い霧状のロウがたなびいているのです。

 3つ目は,その溜まった霧状のロウに炎を近づけると,ボッと着火し,一瞬にして燃え尽きます。あざやかなマジックを見ているかのようなフィニッシュです。

 このように,ある程度の知識や経験をもつ観客は,なおさら釘付けになってしまうテーブルサイエンスは,今後も色あせることなく人々を楽しませていくことでしょう。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) 廃油でロウソクを作ろう 石けんからロウソクを作ろう

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
化学 燃焼 探究心 789
冬
室内;
室内
普通
普通
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